必ず『次に来る』!ジャンプの新進気鋭作品「アクタージュ act-age」《漫画感想》
どうも!今回は先日発表があった「次にくるマンガ大賞2018」で見事5位に輝いた人気急上昇作品「アクタージュ act-age」の紹介です。
ジャンプでは異色な分類に入る、「役者」をテーマにしたサクセスストーリーで、いろいろな意味で規格外な役者の原石である主人公が波乱を巻き起こしながら役者の道を進んでいきます。
上のあらすじだけ読んでも「ジャンプっぽくない!」と思った方もいるでしょう。
実際ジャンプマンガとしてはかなり異色で青年誌向けの作品だと自分も読んで思いましたが、そういった感想を抱いた一定層には初期から固定ファンがいたようです(自分含む)。
しかし、
「ジャンプっぽくない」
それゆえに一度は打ち切りの危機にさらされましたが、3巻相当の話で面白さが覚醒したことによって万人を黙らせる良作品になりました!
あの打ち切りの恐怖におびえていた時に、次週のジャンプのCカラーを獲得した予告を見たときは本当にうれしかったです。
それでは紹介していきます!
漫画情報
原作・原案など マツキタツヤ
作画 宇佐崎しろ
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表号 2018年8号 - 連載中
巻数 既刊3巻(2018年8月3日現在)
あらすじ(1巻公式)
大手芸能事務所スターズが主催する俳優オーディション。未来のスターを目指す3万人の応募者の中に、異彩を放つ少女が1人──天才女優と鬼才監督の出会いから始まる、1本の映画を巡るアクターストーリー、開幕!!
「アクタージュ act-age」をおすすめするポイント
異才「夜凪景」
大手芸能事務所”スターズ”の俳優発掘オーディションにて、演技の課題として「悲しみ」を出された主人公夜凪景(やなぎ けい)は、演技ではなく本当に悲しみの中に堕ちる。
これは夜凪が独学で習得している”メソッド演技”と呼ばれる演技法で、その技術の極めっぷりは「いずれ身を滅ぼす」と芸能事務所の社長にまで言わせたほどのモノでした。
メソッド演技
その役柄を演じるためにその感情と呼応する自らの過去を追体験する演技法
いわゆる"天才主人公"の夜凪。その価値観も割とサイコ。
悲しいことや辛いことがあるとつい違う自分になりたがって映画を観る。
夜凪の中の役者はそのような人たちがなる職業なようです。
これには先輩役者のアキラ君も「こいつ何言ってんの、ヤバい子や」とドン引き…
そんな彼女の最終審査は「野犬との遭遇」
他の役者候補たちが突然の課題に対応しきれない中、夜凪は目の前に本当に野犬がいるように瞬間的に臨戦態勢に入ります!
演技は真にハマりすぎ、他人に戦っている想像の産物の野犬を他人に見せるほど
結果としてスターズの社長の一存によって審査に落とされてしまいますが、彼女に目をつけた映画監督黒山との出会いによって彼女は役者への道を歩き始めます。
役者「夜凪景」の歪な成長
役者としての道を歩き始めた彼女ですが、メソッド演技を持つ彼女には困難な道が。
メソッド演技を使った彼女の芝居は思い出すことです。
そのため彼女は”他人”を演じることが出来ません。
黒山が持ってきた仕事で時代劇の撮影の最中、少女を見殺しにする町人のエキストラになった夜凪は、少女を切り殺そうとする侍にドロップキックを食らわせてしまいます。
役に納得できない夜凪ですが、役者にとって台本は絶対。
必ず少女を見殺しにしないといけません。
そんな彼女が演じ切るために黒山が彼女に与えた方法とは?
とまあこんな感じで夜凪の演技はハマると絶対の迫力を持つものですが、共演者との齟齬が生まれてしまうものです。
しかし、彼女は絶対に変えられない性を持ちながらも少しずつ新しい自分を知っていきます。
そんな彼女が己の成長のためにあってみたいと思った役者は「天使」と呼ばれる”スターズ”トップの女優「百城千世子」。
夜凪と全くの逆で仮面をかぶり、自分を捨てることでトップに君臨する彼女との共演はいったいどうなるのか?
面白さ覚醒の「デスアイランド編」に続く。
画力向上がすごい! カラー絵や衣装に注目
単行本の表紙を見ると、カラー絵で描かれる夜凪が非常に美しい。
作画を担当している宇佐崎先生はカラー絵が初期からすごい上手だったと思います。
しかし、連載開始当初は作画に疑問を持つコメントが多く見られました。
身長がこまによって伸び縮みしたり、手の形がおかしかったり…
1話の悲しみの演技や野犬との戦闘シーンも絵から伝わらないといった辛辣なコメントも見かけました。
実は宇佐崎先生は1997年生まれのまだ20歳!
画力の少しくらい大目に見てあげましょうよ…。
と思っていたのですが、3巻を突破した現在、どんどん夜凪や登場人物が美しく、そして可愛くなりました。
ほんと成長がすごい!
カラー絵のうまさも健在どころか爆上げ成長で時々Twitterに上がる絵を楽しみにしております。
最近のお気には「次にくるマンガ大賞」5位の絵です。マジでいい!
本日発売のWJ39号、アクタージュ30話センターカラーいただいてます!そして遅ればせながら次にくるマンガ大賞5位、投票してくださった皆様ありがとうございました…!頑張って次に来たいです!これからもアクタージュをよろしくお願いします!! pic.twitter.com/aJ0VfmKaH8
— 宇佐崎◉アクタージュ3巻発売中! (@uszksr) August 27, 2018
読み切り作品「阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ」を読め!
実は「アクタージュ act-age」が連載になるきっかけとして、同コンビが送る
「阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ」
という読み切りがありました。
映画好きの主人公が映像作家を生み出す「阿佐ヶ谷芸術高校」で、様々な葛藤と戦いながらも成長し、最後に「自分なりの、自分が撮りたいと思った」1本の作品を作り出す物語。
です。
この読み切りでは、破天荒で振り切っている教師の映画監督黒山が主人公柊雪の価値観をぶっ壊すことで、個々人が何に価値・意味を見出すのか ということを考えさせられるものでした。
黒山の言葉を受け、そして今までの自分を顧みて柊が最後に一本の作品を作ります。
この最後に柊が作った作品にガツンと衝撃を受けました。
主人公が作った作品については実際に読んでみてください!
当時これまた「ジャンプっぽくない!」という議論が発生していましたが、別にジャンプっぽくなくても万人受けしなくてもいいと自分はいいと思います。
結果として、「アクタージュ act-age」の連載につながったのだから響く人にはとことん響く良作品だと受け取れました。
「アクタージュ act-age」を読んでる方も今から読み始める方も是非読んでみてください。
そして実はこの作品の登場人物、黒山と柊は「アクタージュ act-age」にも登場します。
「アクタージュ act-age」の主人公夜凪が所属するスタジオの映画監督として黒山がそしてその助監督として柊が登場します!
柊が黒山の助監督やってるのが感慨深いですね。
同姓同名の全く関係のない別キャラという可能性もありますがw。
正直柊めっちゃ可愛いと思う。
最後に一言(感想など)
とりあえず、興味を持った人は3巻まで読んでください。絶対に。
アクタージュに関しては3巻の内容でめちゃめちゃしゃべりたい内容があるので「デスアイランド編」記事も作りたいと考えています。
最近はジャンプっぽくないといわれている作品が増えていますが、今までと全然違う道を通ろうとしているこの作品には純粋に頑張ってほしい!
そしてこの記事を読んで応援する人が一人でも増えてくれると嬉しいです。
それでは!
アクタージュ act-age 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: マツキタツヤ,宇佐崎しろ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/05/16
- メディア: Kindle版
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引用:アクタージュ act-age/原作・原案など マツキタツヤ 作画 宇佐崎しろ/集英社
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「アクタージュ」が好きな人におすすめの作品
過去記事腐らせるのももったいないんで、こんな感じのコーナーを始めようと思いました。
もしよければ他記事も見ていってください!
ランウェイで笑って
表紙は少女漫画、中身はがっつり少年漫画 。
マガジンで掲載中のハンデを持ちながらモデルを目指す少女、デザイナーを目指す少年の物語。
「次にくるマンガ大賞 2018」12位
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