逃げた先でも出会いで人は夢を見つけられる!「銀の匙」《漫画感想》
銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス) -
こんにちは。結構期間あいてしまいましたwind(ゲーム名)です。 第6回の今回は「汗と涙と家畜の酪農青春グラフィティ!!」がキャッチコピーの漫画「銀の匙」を紹介したいと思います。 この作品は農業高校の日常と農業酪農従事者のリアルな現実を描いており、食糧のありがたみや家畜の生き物の生涯の姿などを扱っているため、正直子供に読んでほしいマンガNO.1です。 小中学校の図書館に全部入れればいいのに……
漫画紹介 作者 荒川弘 出版社 小学館 掲載誌 週刊少年サンデー 発表号 2011年19号 - 連載中 巻数 既刊13巻 (2015年6月現在)
あらすじ 札幌の私立中学に通っていた八軒 勇吾は受験に失敗。学力競争と高圧的な父から逃れるため中学の恩師の薦めで寮制の大蝦夷農業高等学校(通称、エゾノー)に進学する。
周りの人間は農家の跡取り、獣医志望、馬好きなど目的と夢をもって高校に来ているものばかりで八軒は彼らに引け目を感じてしまう。
そんな八軒が今まで知らなかった世界である農業を通じて成長し、青春を謳歌する日々の物語!
「銀の匙」をお勧めする理由 農業・酪農・畜産を楽しみながら知ることができる! 「銀の匙」は北海道が舞台、広大な敷地と様々な設備を持ち、いろいろな家畜の飼育を行っているエゾノーで八軒の今までしたことのなかった体験を通して農業高校の日常を伝えてくれます。
新しい体験の描写は基本面白テイストときに真剣に…。楽しく農業の知らなかったことを知れる漫画です。
部活・バイト・恋愛etc 青春を思い出せる! 八軒の中学時代は真っ黒でした。そんな八軒が新しい環境で始めた部活、広がる人間関係、そして初めての気になる人。高校時代のバカ騒ぎした青春を思い出せる漫画です。
食べることの大切さを知る 食べ物は当たり前にあるものだと思っていませんか? 肉がどうやってできているか知っていますか?
八軒は酪農科。必然家畜との接点も増えます。また、周りのみんなが生産動物に折り合いをつけているのに対し、今までそれらに触れてこなかった八軒は真剣に命について考えます。 彼が特に思い入れを持っていた子ブタ"豚丼"との日々、そして八軒が出した結論を読んだ時、食の大切さを改めて考えさせられました。
みなさんもこれを機に当たり前と思っていたことを考え直してみてください。
年長者の言葉が響く 銀の匙には農業関係に従事する教師や親、そして獣医師などの専門家の大人が数多く登場します。 彼らは命に、恵みに触れているからなのか話に凄く重みがあります。 特に好きなのは次の二つです。ほかにもたくさんありますのでぜひ読んでみてください。
進学校から逃げたことに罪悪感と劣等感を持つ八軒に対しての校長。君たちは家畜じゃなく道は広がっているのだからから逃げるのもありだと笑って話してくれたシーン。
おじいさんが鹿の解体に挑戦するかと聞かれた八軒が教科書に載ってないし、とあわてて断ったときの言葉
作者紹介 作者の「荒川 弘」さんは熱き少年漫画の名作「鋼の錬金術師」の作者でもあります。 この作品はまた紹介できる機会を作りたいと思っています。
そしてあんまり知られてないのが、荒川さんが”女性”であること。
自分も初めて知ったときはすごくびっくりしました。 そんな彼女の北海度王の実家は農家さんだそうで、荒川さんも農業高校出身です。 ちなみに彼女の実家や過去を描いた農業エッセイ漫画「百姓貴族」も第4巻まで出ています。農業の裏話が乗ってて面白いです(笑)こちらもまた紹介できればと思います。 後は月間連載で「アルスラーン戦記」の連載も行っています。
全部面白いのでぜひぜひ読んでみてください。
鋼の錬金術師 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス) -
百姓貴族(1) (ウィングス・コミックス) -
アルスラーン戦記(1) (週刊少年マガジンコミックス) -
最後に一言 自分は工業系の専門学校に行っていたのですが、ベクトルは違えど共感できる専門学校ぽさを感じられてとても楽しい漫画だと思ってます。専門学校生ってなんか絶対深い趣味持ってたりして語ると止まらなかったり 、あとはくだらないことを真面目に証明しようとしたり、と馬鹿ばっかやってました。 まあそんな環境に呑まれたのでオタクになったわけですが(笑)。
あとはやはり命の大切さ、働くことの大事さということが伝わってくる漫画ですので子ども達にぜひ読ませたいですね。
そんな"銀の匙"の新刊が2年ぶりにようやく出ます。長かった…。凄く楽しみしています。
追記 アニメ 第1期:全11話 / 第2期:全11話でアニメもやってます。 とても面白かったですが、食べ物がいっぱい出てくる飯テロがおきるため深夜見るには注意。 EDがお勧めです。